購入から色々バラしてみてやっぱりノーメンテで乗られてたみたい。
リアブレーキは戻りが悪くローターが歪んでたし、フロントも軽く引きずってた。
幸い漏れはないし動きは大丈夫なので洗浄、揉み出しをしてやろう。

先ずはフロント。
バラしたらブレーキを握ってピストンを出してやろう。
出し過ぎると抜けちゃうから注意。

中性洗剤で丸洗いし、ブレーキクリーナーで洗浄した後、ピカール等のコンパウンドでピカピカになるまでピストンの汚れを落とす。
ピストンを回しながら全周全面の汚れを落とす。
固形が使いやすかったのでWAKO’Sのメタルコンパウンドを使用した。

汚れが取れたら潤滑剤を塗布する。
金属面の保護もあるが、引き摺り防止の効果もある。
出して、引っ込めて、出して回して・・・を軽くなるまで繰り返す。

全バラしてシール交換も行った場合はピストン表面を耐水ペーパーでクロスハッチ状にし、シリコングリスを使った。

今回は非分解なのでCCIのMR20(メタルラバー)を使用した。
フォークやブレーキ等の金属とゴムの摩擦部分に非常に効果を発揮する。

パッド他小物類も洗浄しておく。
パッド裏とプレートには鳴き止めのグリスを。
スライドピンとサポートスプリングには潤滑用のグリスを。

こういう細かい作業の積み重ねが大事。


パッドはマーキングをしておいて左右元通りに組む事。
そうしないとアタリ面が変わってしまう。

当然リアもバラして洗う。
フロントはホースに近い側が先に出るし、あっちを引っ込めればこっちが出て面倒だがリアは左右のみなので楽。

プライヤー等で直接ピストンを摘まない事。

同じく鳴き止めのグリスを塗布しておく。
パッドは再度組み込む前に角を面取りしておくと更に鳴きにくくなる。


と、パッドのスライドピンがカジっている・・・。
汚れの固着もすごい。
これでは引き摺る筈だわ。

カジり易いアルミ製なので、ステンレス製に交換するのも手段。
段付きがそんなに酷くなかったので耐水ペーパーで均してやる。

差は歴然、かなり綺麗になった。
グリスを塗布し、組み込む。

あとはエア抜きを兼ねたフルード交換をして終了。
リザーバータンク内のフルードを切らさないように継ぎ足しながらレバーを握って
キャリパーのブリーダーから古いフルードを抜いてやる。

フルード交換やキャリパー洗浄は定期的に行いたい。

ちなみにMOSキャリパーはモノブロックなので、半分に分割してのOHはできない。
また、シール類とピストンを全て交換してのOHをするのと新品キャリパーを買うのはさほど変わらない価格だったと思う。


チェーン&スプロケ交換とキャリパー洗浄で取り回し時の軽さが驚くほど変わった。
フリクションの低減を感じた瞬間だった。